2018年度の活動報告

2018年度の活動     以前の活動について  定款

 活動計算書 貸借対照表

1.事業の目的・経緯
里山フィールドで2006年(平成18年)より続けている里山保全活動を継続して行い、プレーパーク事業「里山ガーデン子どもの冒険ひろば」の開催、はりまキッズ・サイエンス・クラブ、同エコ・クラブ、同ブック・クラブ等の活動を継続して行った。また春のサクラまつりやオープンガーデン等の地域交流事業により、地域の住民や子どもたちに里山や身近な環境や科学に対する意識の向上を図ることを目的として事業を行ってきた。コーディネーター養成講座に続くHsOの事業にも関わり、林田川プロジェクトを実施した。こどもから大学生・大人・リーダーに至る幅広い層に対して講座を開催し、活動の幅を広げている。サイエンスカフェや子ども食堂の事業をたつの市で展開した。
2.事業内容
定款に掲げる特定非営利活動事業を中心とし、2018年4月~2019年3月の間に活動を行った。
事業は、①里山から里海までの保全活動 ②里山ガーデン冒険ひろば ③キッズ・サイエンス・クラブ
キッズ・エコ・クラブ、キッズ・ブック・クラブ④子ども食堂 ⑤サイエンス・カフェ ⑥地域交流事
業(桜プロジェクトを含む) ⑦連携教育活動支援 ⑧林田川プロジェクトの実施 ➈その他。
1  里山から里海までの環境保全活動(2006年開始)
毎月1回の定例の里山整備を通して里山整備を行った。里山整備の参加人数は1回あたり2-3名。
川の活動として2014年から協力を行っている身近な水環境の全国一斉調査を6月に須加院川及び林田川にて
実施した。里山に加えて里川をフィールドとして保全活動を実施し、里海への拡大を進めた。
2  里山ガーデン冒険ひろば
兵庫県青少年本部の補助金により実施(1件の補助2014年度より継続)
プレーリーダー配置のプレーパークは原則毎月第3日曜日13時~16時開催。プレーリーだー配置なしで常時開
催となっている。
「自分の責任で自由に遊ぶ」をコンセプトに、プレーリーダーのサポートのもと、子どもたちは里山を思い
切り満喫。兵庫県青少年本部の補助金を活用したプログラムでは原則月1回プレーリーダーを配置してプログ
ラムを実施。今年度はメインのプレーリーダーを中心にして、学生団体とともに企画運営を行いました。
学生プレーリーダーのアイデアを積極的に取り入れながら、子どもたちが自由な発想で思いきり遊べる
よう、里山の自然を活かすさまざまなプログラムを企画し、広報しました。
参加者の子どもたちや保護者との交流により、学生にとっても参加者にとっても、大変学びの深い機会
を提供できたと思います。子どもたちと学生が回を重ねるうちに親しくなり、信頼関係も深まって、大人
も子ども共に成長する姿が見られました。
成果としては、小学校、保育園、公共施設への配布はもちろん、継続と口コミ効果、SNS拡散効果を合
わせ、近所の子ども以外の参加者も増えてきました。
里山の豊富な資材と十分な広さにより、心身ともに解放される子どもが多くみられ、またプレーリー
ダーが見守る安心感のなかで、初めて出会う子どもや学生同士ですぐに仲良くなり、参加者みんなが協力
して1つのものを作り上げたり、チームでゲームを繰り広げたりという姿も見られ、本来の人間関係とコ
ミュニケーションを学ぶ貴重な時間となったと思います。
今後も引き続き、プレーパークを通して多くの子どもたちが学びを得る機会を得られるよう、
定期的に開催していきたいと思います。
プレーリーダー配置のプログラムは27回程度、参加人数のべ600名へと順調に拡大している(学生主催の未
報告分は除く)。常時開催の参加人数は未集計であるが総計1000名程度あると思われる。
体制としてメインプレーリーダー1名、プレーリーダー2名程度、随時協力するプレーリーダーと学生プレー
リーダーの体制で実施。また城見が丘保育園園児の訪問や香呂南小学校児童の訪問があった。
③ キッズ・サイエンス・クラブ、キッズ・エコ・クラブ、キッズ・ブック・クラブ
国立青少年教育振興機構の助成金である子ども夢基金による事業を行った。この事業は里山サバイバルクラブ
の協力を得て実施した。(2件の助成)(子ども 大人)
0 6 / 1 6 土 10:00-12:00 はりまキッズ・エコ・クラブ 22 32
~カエルを捕まえてまなぼう~
里山での自然体験を通じて、子供の感性を養い、子供の自然体験学習を行うこと
を目的としている。
田んぼにおいて、カエルをつかまえて観察し、カエルの生態について学んだ。
環境についての認識や学び、気づきが子供たちにあった。カエルを捕まえて、同
定したことのない子供が多かった
土 13:00-15:00 はりまキッズ・エコ・クラブ 22 32
~田植えを体験してイネの仕組みを学ぼう~
里山での自然体験を通じて、子供の感性を養い、子供の自然体験学習を行うこと
を目的としている。
田んぼにおいて、田植え体験を行う。
環境についての認識や学び、気づきが子供たちにあった。田植えを体験したこと
のない子供が多かった
0 6 / 2 3 土 10:00-12:00 はりまキッズ・エコ・クラブ 12 12
~里山のカエルを学ぼう~
里山での自然体験を通じて、子供の感性を養い、子供の自然体験学習を行うこと
を目的としている。
里山に生息するカエルの特徴や生態を学び、不思議を楽しく学習する。
環境についての認識や学び、気づきが子供たちにあった。カエルについての多く
の質問があった。
0 7 / 3 1 火 10:00-12:00 はりまキッズ・エコ・クラブ 13 15
~木工工作教室~
里山での自然体験を通じて、子供の感性を養い、子供の自然体験学習を行うこと
を目的としている。
里山の木々を使って鉛筆立てを自分の手で工作し、周辺の里山の木々を活用する

環境についての認識や学び、気づきが子供たちにあった。里山の木々の活用につ
いての多くの工夫があった。
(変更有)
当初、水生生物(津田英治)さんの体験学習であったが、講師との日程調整や体制
協力が合わなかったため、木工工作に変更となっている(趣旨については、変え
ていない)
1 1 / 0 4 日 10:00-12:00 はりまキッズ・エコ・クラブ 19 20
~里山の植物を調べよう~
里山での自然体験を通じて、子供の感性を養い、子供の自然体験学習を行うこと
を目的としている。
里山に生育するどんぐりの特徴や生態を学び、不思議を楽しく学習する。
環境についての認識や学び、気づきが子供たちにあった。どんぐりについての多
くの質問があった。
1 1 / 1 7 土 10:00-12:00 はりまキッズ・エコ・クラブ 13 15
~れんこんの仕組みを学ぼう~
里山での自然体験を通じて、子供の感性を養い、子供の自然体験学習を行うこと
を目的としている。
里山に生息するれんこんの特徴や生態を学び、不思議を楽しく学習する。
環境についての認識や学び、気づきが子供たちにあった。れんこんについての多
くの質問があった。
委託事業による里山体験学習活動
環境に対する関心を高め、環境を大切にする心を育むため、青少年向けの体験型環境学習事業を開催する。
■内容
(1)里山基地づくり
  里山資源を材料として使用し、里山基地のプランを考え、設置作業を行う。
(2)里山体験(自然体験)
  里山資源を体験道具として使用し、自然体験を通じて、学びを実感する。
■参加者
 小学生・保護者 23日(32名)、24日(33名)
■実施場所
  「はりま里山研究所」および「はりま里山ガーデン」
キッズ・サイエンス・クラブ 助成金なし
 助成金依存から離れ、規模を少し縮小して実施した。
07/25 水 10:00-12:00 はりまキッズ・サイエンス・クラブ
08/07 火 10:00-12:00 はりまキッズ・サイエンス・クラブ
キッズ・アクティビティ・クラブは兵庫県の県政150周年の助成金にて実施した。
「はりまキッズ・クラブ」では、こどもマルシェを企画し、地区内外よりゲストを招聘し、地区内外の住民交
流を図ることとした。具体的には、平成30年10月27日に、農家の育てた農産物の収穫体験交流と姫路駅前で
の販売体験を行う。実施の際には、ワークショップファシリテーターを招き、アクティブラーニングを踏まえ
た体験コーディネイトを行った。
はりまキッズ・ブック・クラブ 夢基金の助成活動
12月15日 子供たちが本に親しむ活動を通じて、読書活動への関心を持たせるため、読書活動に関するイベントを行い、
自発的に読書を行う心を養うことを目的として書評合戦のビブリオバトルを開催し、提唱者の谷口先生を招いて
講演会も開催した。
講師:谷口忠大(立命館大学_ビブリオバトル発案者)
講師:三浦一郎(ビブリオバトル進行)
④子ども食堂の開催
  たつの市神岡町東觜崎の里山カフェで7月より月1回の定例で開いている。親子のコミュニケーションの深
まりや地域の交流を目指した活動である。9回開催
⑤ サイエンス・カフェ
 今年度は6月から開始し、7月からは月1回のペースでたつの市神岡町東觜崎の里山カフェで開催した。
主として大人対象の取り組みで本当のカフェの場で行う正統派のサイエンスカフェを目指している。11回開催
⑥ 地域交流活動
 花や緑を通した地域交流活動
2018年4月7日「さくら・つつじ祭り」150名、2018年5月18-20日「オープン・ガーデン」350名、を実施し
た。今年度は中播磨桜の名所づくり連絡協議会を立ち上げて桜をキーワードにした地域の名所づくりの活動を
行った。2019年3月24日には手柄公民館で理事長の講演、3月29日には姫路市文化センターではりま桜シンポ
ジウム(県政150周年事業)を開催した。
⑦大学等との連携活動
兵庫県立大学環境人間学部のフィールドワーク(5/20尾崎教授)および特別フィールドワーク(随時、土
川教授)、環境生物学実験 (7/2大橋教授)、里山フィールドや研究所施設の活用を行った。またエコ・
ヒューマン地域連携センターの学生活動との連携活動支援(木の子)、香呂南小学校、城見ヶ丘保育園の
フィールド活動支援等を行った。
⑧ 林田川プロジェクト 助成金なし
  春から夏にかけての河川敷整備と8月23日、林田川の生物調査のイベントを実施(里山サバイバルクラ
ブ協力)。里川の再生に向け、姫路市安富町塩野での林田川プロジェクトを継続し、里海につなげる活動とし
た。その成果が実り2019年2月11日には姫路市立水族館の協力で手柄山交流ステーションでのキャプテ
ンレッドの大冒険のアニメ公開に関わることができた。このプロジェクトは揖保川水域プロジェクトとして
森川海のつながりを目指す動きになっている。
➈ その他
 研究活動や海空プロジェクトとの連携は少し停滞した。環境学習に関わる他団体の講師派遣事業を受託し、
事業を行った。里山観察会を行った。
3.事業の成果
1 これまで同様、里山の保全活動を行うことにより、森林の環境が保たれ、遊具の修繕により子どもも安全
に遊ぶことができた。また、保全活動を定期的に行うことによって、地域の方の参加を得ることに繋がった。
里山だけでなく里川の再生を目指す林田川プロジェクトを開始・継続することができた。
2 環境学習では中播磨県民センターからの事業委託(2件)、による環境学習の実施や他団体の支援の活動
が行われた。また学生に学ぶ場を提供し、社会での活動や学習体験の一助となった。
3 研究関係は十分な活動が展開できなかったが助成金・補助金の獲得により活動はさらに展開できた。
4 大学との連携では学生の社会貢献活動や教育に寄与することができた。
5 冒険広場では常設のメリットからか普段から子供たちが自然に訪れ、遊ぶ姿が見られるようになった。
4.事業活動の問題点と解決策
2015年度の後半よりNPO事務活動が停滞し、事務処理が理事長に集中して事業の進行・事務処理に大きな
支障があった。4年後の2018年度も1年を通して個人的負担が継続し、事業実施・継続が極めて大変であっ
た。このため2017年度以降は事務処理をプロジェクト毎への分散化し、それぞれでの実施の体制をつくるこ
ととした。
事務処理分散の体制は可能となったが、中核の部分については理事長への負担が残っている。.
 一般的に助成金では事務員を雇用することは困難であるが、事業の拡大により事務局を担当する
事務局長を置く必要性がある(ただし恒久的な資金の問題が伴う)。事務負担軽減策を講じないとNPO法人化
のメリットが少ないと考えられる。NPOとしての将来的な在り方を考えて一般社団法人への移行やNPOの解散
も含めて今後検討する必要がある。
サイエンスカフェの開催は里山企画の事業として見合う額として設定するなどして、NPOの直接事業から
切り離していく必要がある。
里山整備事業は参加者が少なく、広報の人的余裕もないため対応を検討していく必要がある。
コーディネーター養成講座の大きな負担により本年度は受託をすることを見合わせ、HsOの事業に組み込むこ
とで負担減を図った。いずれにしてもNPOの事務局不在では持続的に事業継続が困難であり次を担う人材を育
成、委譲していくことが求められる。