2017年度の活動報告

2017年度の活動     以前の活動について

 活動計算書 貸借対照表

1.事業の目的・経緯

里山フィールドでは、2006年(平成18年)より続けている里山保全活動を継続して行い、プレーパーク事業「里山ガーデン子どもの冒険ひろば」の開催、はりまキッズ・サイエンス・クラブ、同エコ・クラブ、同ブック・クラブ、同アクティビィティー・クラブ、春のサクラまつりやオープンガーデン等の地域交流事業により、地域の住民や子どもたちに里山や身近な環境や科学に対する意識の向上を図ることを目的として事業を行ってきた。環境学習コーディネーター養成講座を継続し、そのフォローアップの講座として林田川プロジェクトを実施した。こどもから大学生・大人・リーダーに至る幅広い層に対して講座を開催し、活動の幅を広げている。
2.事業内容

定款に掲げる特定非営利活動事業を中心とし、2017年4月~2018年3月の間に活動を行った。
事業は、①里山から里海までの保全活動 ②里山ガーデン冒険ひろば ③キッズ・サイエンス・クラブ キッズ・エコ・クラブ、キッズ・ブック・クラブ、キッズ・アクティビティー・クラブ④環境学習コーディネーター養成講座及びフォローアップ講座 ⑤サイエンス・カフェ ⑥地域交流事業 ⑦研究活動 ⑧連携教育活動支援 ⑨「海と空の約束プロジェクト」の支援 ⑩林田川プロジェクトの実施。

①  里山から里海までの環境保全活動(2006年開始)
毎月1回の定例の里山整備を通して里山整備を行った。里山整備の参加人数は1回あたり2-3名。
川の活動として2014年から協力を行っている身近な水環境の全国一斉調査を6月12日須加院川及び林田川にて実施した。今回はこれまでの須加院川に加え林田川を調査河川として加えた。今年度から里山に加えて里川を
フィールドとして保全活動を実施した。

②  里山ガーデン冒険ひろば
兵庫県青少年本部の補助金により実施(1件の補助2014年度より継続)
プレーリーダー配置のプレーパークは原則毎月第3日曜日13時~16時開催。配置なしで常時開催となっている。
「自分の責任で自由に遊ぶ」をコンセプトに、プレーリーダーのサポートのもと、子どもたちは里山を思い切り満喫。兵庫県青少年本部の補助金を活用したプログラムでは原則月1回プレーリーダーを配置してプログラムを実施。今年度はメインのプレーリーダーを中心にして、学生団体とともに企画運営を行いました。
学生プレーリーダーのアイデアを積極的に取り入れながら、子どもたちが自由な発想で思いきり遊べるよう、里山の自然を活かすさまざまなプログラムを企画し、広報しました。
参加者の子どもたちや保護者との交流により、学生にとっても参加者にとっても、大変学びの深い機会を提供できたと思います。子どもたちと学生が回を重ねるうちに親しくなり、信頼関係も深まって、大人も子ども共に成長する姿が見られました。
成果としては、小学校、保育園、公共施設への配布はもちろん、継続と口コミ効果、SNS拡散効果を合わせ、近所の子ども以外の参加者も増えてきました。
里山の豊富な資材とじゅうぶんな広さにより、心身ともに解放される子どもが多くみられ、  またプレーリーダーが見守る安心感のなかで、初めて出会う子どもや学生同士ですぐに仲良くなり、参加者みんなが協力して1つのものを作り上げたり、チームでゲームを繰り広げたりという姿も見られ、本来の人間関係とコミュニケーションを学ぶ貴重な時間となったと思います。
今後も引き続き、プレーパークを通して多くの子どもたちが学びを得る機会を得られるよう、
定期的に開催していきたいと思います。
プレーリーダー配置のプログラム昨年度の20回から27回へ増加し、参加人数のべ602名から646名へと順調に拡大している(学生主催の未報告分は除く)。常時開催の参加人数は未集計。
体制としてメインプレーリーダー1名、プレーリーダー2名程度、随時協力するプレーリーダーと学生プレーリーダーの体制で実施。
また城見が丘保育園園児の訪問や香呂南小学校児童の訪問(いずれも団体として)があった。

③ キッズ・サイエンス・クラブ(2015年度から)、キッズ・エコ・クラブ、
キッズ・ブック・クラブ、キッズ・アクティビティ・クラブ(2017年度から)
国立青少年教育振興機構の助成金である子ども夢基金による事業を行った。この事業は里山サバイバルクラブの協力を得て実施した。(4件の助成、計10回開催)(子ども 大人)

05/21日 はりまキッズ・エコ・クラブ 17 16
山歩き・里山の植物で楽しもう~木の枝でできる、なわづくり~
里山での自然体験を通じて、子供の感性を養い、子供の自然体験学習を行うことを目的としている。里山ガーデンにおいて、山を歩き、植物を観察し、つるでなわづくりを行う。環境についての認識や学び、気づきが子供たちにあった。

06/18 日 09:30-15:30 はりまキッズ・エコ・クラブ 29 33
~カエルを捕まえて、田植えをしよう~
里山での自然体験を通じて、子供の感性を養い、子供の自然体験学習を行うことを目的としている。田んぼにおいて、カエルをつかまえて観察し、田植え体験を行う。環境についての認識や学び、気づきが子供たちにあった。田植えを体験したことのない子供が多かった

06/25 日 13:30-15:30 はりまキッズ・エコ・クラブ 18 14
~里山のカエルを学ぼう~
里山での自然体験を通じて、子供の感性を養い、子供の自然体験学習を行うことを目的としている。
里山に生息するカエルの特徴や生態を学び、不思議を楽しく学習する。環境についての認識や学び、気づきが子供たちにあった。カエルについての多くの質問があった。
11/12 日 10:00-12:00 はりまキッズ・エコ・クラブ 10 10
~里山の植物を楽しもう~
里山での自然体験を通じて、子供の感性を養い、子供の自然体験学習を行うことを目的としている。どんぐりを拾って、どんぐり遊びを行う。

07/23日 はりまキッズ・サイエンス・クラブ10 6
光についてたのしもう~光の原理を学ぼう~
小学生に対して科学的な実習支援のための学習会を開催する。
化学専門の先生が、光の不思議について、詳しく学習
光には、可視光線だけでなく、紫外線や赤外線、
それ以外まで、幅広くあることに気づき、学んだ。
07/29 土 10:00-12:00 はりまキッズ・サイエンス・クラブ 14 10
たのしいおもちゃをつくろう1~動く原理を学ぼう~
小学生に対して科学的な実習支援のための学習会を開催する
動く原理を学ぶためのおもちゃづくりについて、詳しく学習
おもちゃづくりを通じて、動く原理を学んだ。
動くためには、回すこと、弾くこと、さまざまな方法があることを
子供たちが質問し、学んだ。
08/05 土 10:00-12:00 はりまキッズ・サイエンス・クラブ 12 10
木でつくってみよう~木工体験~
小学生に対して科学的な実習支援のための学習会を開催する
木工体験について、詳しく学習木工体験を通じて、里山の木々の活用を学んだ。
小さい家と庭をつくることで、組み合わせ、活用、気づきを知り、どんな道具を使うかを学んだ。
08/19 土 10:00-12:00 はりまキッズ・サイエンス・クラブ 12 10
たのしいおもちゃをつくろう2~動く原理を学ぼう~
小学生に対して科学的な実習支援のための学習会を開催する
動く原理を学ぶためのおもちゃづくりについて、詳しく学習
おもちゃづくりを通じて、動く原理を学んだ。電磁石を用いて、動く仕組みを学び、子供たちが質問し、学んだ。

10/28 土 10:00-16:00 はりまキッズ・アクティビティ・クラブ 10 7
「こどもマルシェ」
自分たちで採った野菜、販売体験してみませんか?
子どもに対して仕事や職業体験会を開催する。農家のプロが、その手法を詳しく解説
農業の大変さ、販売流通の現実、さまざまなことを子供たちが学んだ。
変更点)台風襲来により、農作業等への子供たちの負担が大きいため、参加費を無料に変更した。
10:00 ~ 11:00 農産物の収穫体験(農家が野菜の収穫方法を指導し、子供たちが収穫作業を体験)
11:00 ~ 12:00 収穫野菜の袋詰め体験(野菜の重さを量り、袋詰め作業を子供たちが体験)
14:00 ~ 16:00 姫路駅前にて、販売体験(袋詰めした野菜を、一般客に販売
体験)

12/03 日 10:00-12:00 はりまキッズ・ブック・クラブ 10 10
本のビブリオバトルで遊んでみませんか?
小学生に対して読書活動に親しみ、心を養うための、ビブリオバトルを開催する。
2016年特別賞を受賞した、専門の先生が詳しく教えてくれる。
親子が好きな本を紹介できる活動は、自分の読みたい本の視野を広げた。なかに
は、今後、読みたい本をメモして帰る子供たちも現れた。

その他姫路市の環境学習リーダー養成講座(2017.1.27)等の協力等もあり、回数は増加している。

④ 環境学習コーディネーター養成講座 兵庫県・(公財)ひょうご環境創造協会の委託事業(2016,2017年度)
内容は別紙チラシを参照。兵庫県、(公財)ひょうご環境創造協会からの委託で実施。8回9日間の講座を開催し、定員20名の公募があった。規定を満たした13名に対して(公財)ひょうご環境創造協会理事長名の
修了証を授与し、活動経過は同協会のHPにも掲載され、広報誌にも記事が掲載された。
  フォローアップ事業として林田川の河川敷を整備し、環境学習を行うプロジェクトを
  (一社)近畿建設協会からの助成金により実施。
⑤  サイエンス・カフェ
 今年度は林田川プロジェクトでのサイエンスカフェ「水生昆虫のおしごと」片野泉氏を6月18日に開催した。
開催場所はたつの市神岡町東觜崎の里山カフェで参加人数は28名。カフェの容量をオーバーする参加者が
あった。その他里山カフェで2回カエルカフェの開催を支援。

⑥  地域交流活動
 花や緑を通した地域交流活動
2017年4月1日「さくら・つつじ祭り」150名、2017年5月18-20日「オープン・ガーデン」350名、を実施した。2018年2月25日のひめじおん祭りに参加。2017年5月17日豊岡市日高町の花のグループ来訪
2017年5月26日景観園芸学校の修了生の団体一六回の来訪。6月30日ひょうごん総会参加。
10月13日 3広場交流会で理事長講演、11月2日 花の講習会(橋本光政氏)、2018年3月1日さくらの講習会(鶴田誠氏)実施
2018年3月22日岐阜県御嵩町の教育委員会職員等3名のプロジェクトグループ視察受け入れ。

⑧大学等との連携活動

兵庫県立大学環境人間学部のフィールドワーク(6/16尾崎教授)および特別フィールドワーク(随時、土川教授)、環境生物学実験 (5/22、6/5大橋教授)、7月6日景観園芸学校ガーデナーコース受講生の来訪、里山フィールドや研究所施設の活用を行った。またエコ・ヒューマン地域連携センターの学生活動との連携活動支援(木の子)、香呂南小学校、城見ヶ丘保育園のフィールド活動支援等を行った。

⑨「海と空の約束プロジェクト」との連携活動

里山でのイベント内で環境紙芝居『海と空の約束』の読み聞かせや普及支援を行った。

⑩里川の再生に向け、姫路市安富町塩野での林田川プロジェクトを開始した。
その実施内容は
1. 竹林整備 
1.1危険作業の委託(専門業者) 姫路市安富町塩野の林田川河川敷
 対象河川敷竹林500平米程度、チェーンソー伐採(専門業者委託)および伐採竹の処理 2017年6月3日実施 専門作業員2名、実施スタッフ1名
1.2河川敷竹林整備、整地(石等の移動等)、除草、放置ゴミ処理によるフィールド整備 6/30、7/22、8/20、8/27 作業者数延べ23名で実施
1.3地元自治会長へのあいさつ及び説明を3回実施、姫路市安富町の庁舎、地元小学校への訪問説明1回
2. 指導者対象学習会 サイエンスカフェ「水生昆虫のおしごと」(再掲)
講師 片野泉氏(奈良女子大学准教授) 水生の生態系の学習を行い、河川生態系を理解する。開催場所は兵庫県たつの市神岡町(揖保川の近く)。参加者28名(スタッフ含む)
 3. 子ども対象の環境学習プログラム実施(1回以上実施)
一定の河川敷整備が終わった後、2016年度環境学習コーディネーター養成講座修了生を中心に河原遊びと水辺の環境学習プログラムを実施。参加者20名(親子) 
 4. 成果発表会
2017年度環境学習コーディネーター養成講座のプログラム中にて成果発表を行った。2017年11月11日
 5. 次年度に向けた活動 2018年3月3日ひょうご環境体験館で開催された環境学習コーディネーター養成講座での広報活動等を含め、数回実施

その他 たつの市神岡町東觜崎の里山カフェでの「子ども食堂」向けた支援活動を開始。

3.事業の成果

①これまで同様、里山の保全活動を行うことにより、森林の環境が保たれ、遊具の修繕により子どもも安全に遊ぶことができた。また、保全活動を定期的に行うことによって、地域の方の参加を得ることに繋がった。
里山だけでなく里川の再生を目指す林田川プロジェクトを開始することができた。
② 環境学習コーディネーター養成講座等、人材育成の事業では地域で活動する方の指導力レベルアップと
新たなつながりの創生に役立てた。また学生に学ぶ場を提供し、社会での活動や学習体験の一助となった。
③ 研究関係は十分な活動が展開できなかったが助成金・補助金の獲得により活動はさらに展開できた。
④ 大学との連携では学生の社会貢献活動や教育に寄与することができた。
⑤ 冒険広場では常設のメリットからか普段から子供たちが自然に訪れ、遊ぶ姿が見られるようになった。

4.事業活動の問題点と解決策

2015年度の後半よりNPO事務活動が停滞し、事務処理が理事長に集中して事業の進行・事務処理に大きな支障があった。2016年度も1年を通して個人的負担が継続し、事業実施・継続が極めて大変であった。このため2017年度は事務処理をプロジェクト毎への分散化し、それぞれでの実施の体制をつくることとした。
今年度については事務処理分散の体制は可能となったが、中核の部分については理事長への負担が残った。.

 一般的に助成金では事務員を雇用することは困難であるが、事業の拡大により事務局を担当する
事務局長を置く必要性がある(ただし恒久的な資金の問題が伴う)。事務負担軽減策を講じないとNPO法人化のメリットが少ないと考えられる。NPOとしての将来的な在り方を考えて一般社団法人への移行やNPOの解散も含めて今後検討する必要がある。
サイエンスカフェの開催を増やすとすれば参加料金を事業として見合う額として設定するなどして
講座として持続可能な形態にしないと継続が難しいという問題がある。
里山整備事業は参加者が少なく、広報の人的余裕もないため対応を検討していく必要がある。
コーディネーター養成講座の初年度は非常に重要な人材育成事業であるが予算がきわめて不足し、大きな負担になった。本年度は委託費の増が認められ、事務体制をとることができた。いずれにしてもNPOの事務局不在では持続的に人材育成講座を担当するのは困難であり次年度以降は人材養成については他の団体に任せていくことが求められる。